Webユーザーストレージ基盤

今日のTwitterより。


Webサービス提供者がユーザーの情報を抱え込んで道連れにしてしまうのはいかがなものか。ユーザーは自分の情報は自分で管理し、Webサービスに対して貸し出すようにすればいい。極端に言えばブログサービスはテキスト→HTMLの成形ツールであれば良く、文章自体はユーザーが自由に管理・再利用できるべき。

ローカルPCでは、データはファイルシステムに保存され、アプリケーションがそれを利用する形態を取っている。Webでは、アプリケーションがデータを保持している。後者はファミコンのカセット内にセーブデータを保存するようなもの。データを再利用できず、ユーザーは不利益を被っている。


たとえばmixiに書いた日記のデータをはてなに移行するとか、TwitterのつぶやきをWassrに移行するとか。データがデータとして保存される、つまりローカルPC内にMS Officeデータを保存するように、そのデータを利用可能な互換ソフトウェアが登場する余地が残されているのが良い。データ形式が標準化されていればなお良い。

写真データがデータとしてストレージサービスに保存されていれば、写真管理サービスができ、写真検索サービスができ、コメントを付けるサービスが参入する余地がある。現状ではFlickrの中に保存されている写真データがFlickrから外に出て再利用される可能性は基本的に無い。

YouTubeはストレージサービスではなかったので、ニコニコ動画のアクセスは弾かれた。これによって多数の動画が再利用される可能性が失われてしまった。データがストレージサービス上に保存されていれば、ユーザーは自由にニコニコ動画にアクセスを許可することができた。

Webサービス上にはなく、データをただのデータとしてストレージサービス上に保存しておくことで、ユーザーは自分のデータを自分でコントロールできるようになる。


他方ストレージサービスはWebサービス提供者側にも大きな利益がある。

Webサービスに提供されるデータは、ストレージサービスから提供される。データの所有者はストレージサービスに問い合わせればすぐに分かる。つまりデータの所有権はWebサービス提供者ではなくユーザーにあり、Webサービス提供者は違法ファイルの管理をしなくて済む。


ストレージサービス提供者としては、ユーザーの囲い込みによって結構儲かるかもしれない。「ストレージサービスにしか対応しないWebサービス」が増えてくれば、ある種のインフラとしての地位を確立できる。


重要な要素は以下。

  • ストレージサービスは特定のサービスに依存しない
    • ユーザーは自分のデータに対して、サービスごとにアクセス制御ができるようにする
    • はてなには許可するがmixiには許可しない、など
  • ストレージサービスは標準化されたAPIを提供する
  • Webサービス提供者は違法ファイルの管理をしなくて済むようになる